育毛剤と一緒に使用してはいけない薬やサプリってある?

育毛剤を使用している方の中には、「有効成分が多ければ多いほど薄毛改善に効果があるのでは?」と考える方もします。もし、これが本当だとしたら、育毛剤をいくつも使うほど効果を期待することができます。現在はさまざまな育毛剤が販売されており、数ある商品の中から1つに絞り込むことができない……なんて方もいるでしょう。たくさんの育毛剤を使用すればするほど効果が得られるというのであれば、1つに絞り込む必要もありません。そうなれば、育毛剤選びももっと気軽にできるようになるかもしれませんね。
しかし、育毛剤を併用する上では気になることがあります。それは、「併用禁忌薬」です。併用禁忌薬というのは、併用をして服用をした場合、作用減弱・副作用の増強などといった身体に悪い影響をだしてしまう恐れがある「飲み合わせの悪い薬」のことです。育毛剤は、頭皮に塗るものだから気にする必要はないと思う方もいるかもしれませんが、実は育毛剤にも併用してはいけないものが存在します。
ミノキシジル・フィナステリド配合の育毛剤の使用には要注意!
一口に育毛剤といっても商品によって配合されている有効成分は大きく異なります。そのため、すべての商品において併用してはいけないというわけではありません。
ところが、現在販売されている育毛剤には、パッケージなどに「他の育毛剤との併用は避けてください」というような注意書きが記載しているようなものも多くあります。注意書きを記載するほどですから、やはりなんらかの副作用が懸念されるようです。一般的に、育毛剤は併用しないほうがよさそうですね。
また、「ミノキシジル」が配合されている育毛剤においては、他の外用育毛剤との併用だけでなく、頭痛薬などに含まれる「イブプロフェン」が配合されている薬の服用を控えなければなりません。現在は、育毛剤の有効成分として有名なミノキシジルですが、元々は血圧降下剤として使用されていたため、イブプロフェンと併用をすることで、重大な副作用を引き起こす可能性が考えられます。
他にも、AGA治療薬として知られる「フィナステリド」が含まれる薬を服用している方も注意が必要です。フィナステリドに関しては、服用してはいけない薬(サプリ)があるというより、女性の服用が禁止されています。フィナステリドは、男性ホルモンにより薄毛が発症している方(男性)に向けた薄毛治療薬であるため、男性ホルモンを抑制する作用があります。そのため、女性、とくに男児を妊娠している方が服用をした場合、男児の生殖器に以上を起こす危険性があるとされています。フィナステリドは、服用をしなくても、錠剤に触れるだけで有効成分が体内に入り込むとされています。よって、妊娠中の女性は服用おろか、触れることも禁止されているのです。
持病をお持ちである種の薬を日常的に服用しているという方やサプリメントを服用している方は、育毛剤を使用する前に使用禁止薬があるかどうかきちんと調べるというだけでなく、専門的な知識を持つ医師などに相談をした上で使用することをおすすめします。
併用することで相乗効果が得られる場合もある
一般的に、育毛剤は併用しないほうがいいとされていますが、中には併用することで相乗効果が得られるものもあります。併用が勧められるものが、上記でご紹介した「ミノキシジル」と「フィナステリド」です。
ミノキシジルは、頭皮に塗布する育毛剤に配合されている成分で、フィナステリドは内服タイプの育毛剤に配合されている成分です。ミノキシジルとフィナステリドの併用が勧められている理由には、「髪(頭皮)に対してそれぞれ異なる働きがある」という点が挙げられます。
ミノキシジルには、頭皮の毛細血管の血流をアップさせて発毛を促す効果があります。フィナステリドには、脱毛の原因となる男性ホルモン「DHT(ジヒドロテストステロン)」の生成を抑制し、脱毛を改善するという効果があります。つまり、フィナステリドで脱毛を予防し、ミノキシジルで発毛を促進させるということです。2つの成分の働きにより、抜けにくくしっかりとした髪の毛を育てることができます。
ミノキシジルとフィナステリドを併用することで副作用が発生したという報告はこれまでに確認されていませんし、ミノキシジルとフィナステリドの併用は病院でも勧められています。しかし、その他の薬やサプリメントを日常的に服用している方は、医師に相談のもと、安全に使用できることを確認してから使用すべきです。
有効成分が多ければ多いほど薄毛改善に効果があるということではなく、薄毛の原因や症状に適したものを使用するということが大切です。何も知らずにたくさんの育毛剤を使用していると、育毛・発毛効果が得られるどころか、薄毛・抜け毛の症状が悪化してしまう可能性も考えられます。育毛剤を使用することで、育毛・発毛効果を得たいというのであれば、用法・容量を守り、正しく使用しましょう。