育毛剤リアップの生える仕組みと気になる副作用
「日本で唯一、発毛効果が認められている」というキャッチコピーで有名な育毛剤、リアップ。
薬局でも手に入るリアップは発毛効果が高いため、壮年「ミノキシジル」性脱毛症(AGA)の治療薬としても使われています。特にリアップは、発毛効果が高いことで知られているという成分が配合されているのが特徴です。このミノキシジルがどのように薄毛を改善するのか、副作用が出ることはあるのかどうかなどについてご紹介します。
発毛効果の高いリアップって、どんな育毛剤?
リアップは、発毛を促すために頭皮に塗布する薬で第一類医薬品に該当します。
一般的に頭皮に塗布するトニックは「育毛剤」と呼ばれることが多いですが、実は詳細な分類があるのをご存じですか?最も発毛効果の高いのが医薬品の発毛剤、次に効果が高いのが医薬部外品の育毛剤、最も発毛効果が緩やかなのが化粧品の養毛剤というような分け方がされています。
リアップはこのうち医薬品の「発毛剤」の分類に該当します。
リアップはドラッグストアでも販売されていますが、医薬品なので薬剤師との対面販売でないと購入できません。また、ドラッグストアだけではなく皮膚科やAGAクリニックで医師に処方してもらうこともできます。
他の育毛剤と比較して、発毛効果が高い成分を使用しているため、薄毛治療にも活用されています。脱毛やAGAの改善効果が高い育毛剤なので、日本皮膚科学会が定めるAGA治療ガイドラインにおいて推奨度「Aランク」に位置づけられています。このことは、リアップをAGAの治療に「行うことを強く勧められる」ということを意味し、AGAクリニックや皮膚科の治療でも多くのAGA患者に使用されているのです。
育毛剤リアップはどんな人に合っているの?
リアップは発毛効果が高い育毛剤なので、AGAを始め幅広い薄毛の症状に対応できるのが特徴です。リアップの効果・効能は「壮年性脱毛症における発毛、育毛及び脱毛(抜け毛)の進行予防。」とされています。壮年性脱毛症とは、一般的に20歳以上の男性が発症する薄毛の症状のことです。
AGAとも言われる壮年性脱毛症は、遺伝や男性ホルモンの増加などによりゆっくり時間を掛けて進行し、徐々に薄毛が目立っていきます。つむじや額の生え際から薄くなるタイプの薄毛や、遺伝による影響が大きい薄毛の場合AGAの可能性が高いです。
このようなタイプの方には、壮年性脱毛症の改善効果が高いリアップでの治療が適していると言えます。
また、リアップは髪を生やすだけではなく、抜け毛の進行を抑制することにも効果を発揮するということもわかっています。つまり、リアップは既に薄毛が進行してしまった方の治療にも、またこれから髪を生やしたい方にも適しているということです。
それでは逆にリアップを使わない方がいい人もいるのでしょうか。
リアップは、成人以降に発症する壮年性脱毛症に効果的な育毛剤ですから、未成年は使用しない方がいいと言われています。また、自分では脱毛症か判断が難しいような状態の場合は、AGAではなく別の脱毛症の可能性が考えられるので避けた方がいいでしょう。そして、同じ脱毛でも円形脱毛症はリアップの使用が適さないことがあります。円形脱毛症はアレルギーなど免疫疾患により発症することが多いため、成長サイクルを整えて発毛するリアップでは効果が出ない可能性があるためです。
また、女性も男性と同じようにリアップを使用するのが難しいとされています。女性の薄毛の多くは、壮年性脱毛症のように男性ホルモンによってヘアサイクルが乱れることが原因ではありません。
女性の薄毛は女性ホルモンが減少し、髪が成長しにくくなったり頭皮環境が悪化したりすることが主な原因だと言われています。そのため、男性の薄毛改善に適した育毛剤では治療がしにくい場合があるのです。
しかし、FAGA(女性男性型脱毛症)と診断された場合は、男性ホルモンによって薄毛が進行している可能性があります。FAGAの場合は、「ミノキシジル」の配合量が1%と少量の女性向けシリーズを使うことができます。
効果・効能の点から、リアップは典型的な壮年性脱毛症、薄毛の男性に適した育毛剤だと言えます。
育毛剤リアップの「ミノキシジル」が発毛を促進
リアップは主に発毛を促進するための「ミノキシジル」という成分と頭皮環境を改善する3つの成分で構成されています。
ミノキシジルは世界90か国以上で発毛に効果がある成分として認められ、育毛剤に使用されています。このミノキシジルは、もともとは髪の毛のための成分ではありませんでした。開発された当初は高血圧患者のための血圧降下剤として使用されていました。
しかし、患者がミノキシジルを使用するうちにAGAが改善したり髪が増えたりしたことからミノキシジルの頭髪への効果が認められたのです。
その後1988年にアメリカにて臨床試験が行われ、医薬品の発毛剤に使用されるようになりました。
このミノキシジルは毛根にある「毛包」という部分に働きかけることで発毛することが分かっています。
髪は根元の細胞が細胞分裂することで成長するのはご存じですか?育毛剤リアップには、ミノキシジルが国内で製造されている発毛剤の中で最高濃度の5%と、国内の育毛剤の中でも最も多い配合率で加えられています。このミノキシジルが、毛包に働きかけることで細胞分裂が活発になったり、髪の元になるたんぱく質の合成が促進されたりします。
これにより髪が成長し、太く強くなっていくというのが発毛の仕組みなのです。
この他に、リアップは頭皮環境改善成分のピリドキシン塩酸塩、トコフェロール酢酸エステル、I-メントールを配合しています。
ピリドキシン塩酸塩は、頭皮トラブルの元となる余分な皮脂を抑制し、頭皮環境を健やかにする効果があります。
トコフェロール酢酸エステルもピリドキシン塩酸塩と同じく、皮脂に働きかけ頭皮の炎症やかゆみを予防します。I-メントールは、頭皮の炎症やかゆみなどのトラブルを防ぐ作用と清涼感を与える作用があり、リアップは発毛効果のあるミノキシジルと、頭皮環境を整える成分を配合することで効果的に育毛できるような処方になっているのです。
育毛剤リアップでヘアサイクルが改善される
リアップで発毛できるのは、AGAや一般的な薄毛の原因である「ヘアサイクル」の乱れにアプローチできるからだと言われています。そもそも、AGA(壮年性脱毛症)は、男性ホルモンの影響や遺伝的要因により毛根がダメージを受けることが原因で発症するのです。
毛根がダメージを受け続けると、毛根の周りの「毛包」と呼ばれる部分が縮小し髪が生えにくくなります。さらに、髪が生える周期の「ヘアサイクル」が乱れることで、髪が十分に成長しないまま抜けたり、軟毛しか生えないようになったりするのです。
このヘアサイクルは、大きく3つの時期に分かれます。
新しい髪が生え古い髪が抜ける「成長期」、成長が穏やかになる「退行期」、成長が休止する「休止期」の3つの時期を繰り返して髪は成長していきます。
正常なヘアサイクルの場合成長期が2~6年、退行期が2週間、休止期が3~4か月あると言われています。一方、AGAや薄毛の方の場合は、成長期が数か月~1年未満で終わってしまう傾向があります。
つまり、髪が十分に成長しないので、細くて弱々しい毛ばかり生えるようになったり、すぐ抜けるようになったりするのです。
育毛剤リアップは、このヘアサイクルを正常な状態に戻すことで髪が成長しやすい状態にして発毛する作用があります。これにより、再び太く強い髪が生えるようになってくるのです。そしてこのヘアサイクルは、発毛効果の現れ方にも影響しています。
リアップは発毛効果が高い育毛剤ですが、使って数日後に髪が増えるようなことはありません。これには、ヘアサイクルの周期が数か月単位で移り変わっていることが関係しています。
一般的には、リアップを使用してから約4~6か月後に抜け毛の減少や髪が太く強くなるといった変化、毛量増加などが実感できるとされています。また、リアップは継続することで発毛効果を得る育毛剤で、壮年性脱毛症の原因を取り除くものではありません。そのため、薄毛を改善し毛を増やすためには使い続けなくてはならないということです。1か月使って効果が出なかったからと辞めずに、半年ほど使ってみるのがおすすめです。
育毛剤リアップの発毛効果は「毛包」がカギ
育毛剤リアップの主要成分であるミノキシジルは、今生えている髪と毛の根本にある毛包に働きかけて発毛を促します。ミノキシジルが、成長期の初期から後期にかけて髪の成長を促進し、縮小した毛包を拡大することで、髪がより強く太く成長し抜けないようになるのです。さらに、成長が休止している休止期から、成長期以降に使用する際は、活動を休止していた毛包を再び成長させ、新しい毛が生えるように促します。
このように作用することで、AGA特有のへアサイクルの短縮に歯止めをかけることができるのです。
また、髪の根元にある毛包は、へアサイクルが乱れることで縮小するという特徴を持っています。
AGAのように、ヘアサイクルの成長期が短くなると髪が成長途中で抜けるので、毛包が小さくなってしまうのです。毛包が小さくなると髪が十分に生えなくなり、いずれその毛包から髪が生えなくなる場合もあります。
ミノキシジルは、この毛包を大きく成長させる「ディープグロース効果」を持っているので、太く強い髪が生まれる土台を作れるのです。ミノキシジルの毛包を強くする作用により、細く軟毛化していた毛が太く強い髪に変わっていくことで、発毛効果を実感できます。
育毛剤リアップにはどんな副作用があるの?
効果が出やすい育毛剤を使う際には、副作用が心配になりますよね。
副作用とは、薬を使った時にでる反応のことです。風邪薬を飲んで眠くなったり、食欲が無くなったりすることがありますよね。発毛剤の場合、頭皮や体調に副作用が起こることがあります。
リアップに配合されている「ミノキシジル」は発毛効果の高い分、体に働きかける作用が強く、副作用を起こす可能性がある成分として知られています。もともと血圧降下剤だったミノキシジルは、血圧に働きかけてめまいや吐き気をもたらすほか、心不全や心筋梗塞などの深刻な副作用をもたらすこともあると言われているのです。そのため、血管系の疾患がある方や血圧が安定しない方、心臓や腎臓に疾患がある方は医師に相談した方がいいと言われています。また、発毛効果が高いため頭髪以外の毛が濃くなる多毛症の危険もあると言われています。
しかし、リアップを使用すると必ずこのような副作用が起こるというわけではありません。副作用が気になる場合はリアップを使用する際の1日2回、1回につき1mlの使用量を守るようにしましょう。また、炎症やかゆみなどの副作用を起こさないためにも、洗髪をした後の清潔な頭皮状態の時に塗布したり、液で髪が濡れた場合はドライヤーで乾したりなどしましょう。
効果が高いために副作用も心配されるリアップですが、用法・用量を守って適切に使用すれば高い発毛効果が期待できる優秀な育毛剤です。AGAや薄毛の進行が気になっている方は、医師や薬剤師と相談し発毛に役立てて見てはいかがでしょうか?
まとめ
・リアップは第一類医薬品の発毛剤。
・リアップの「ミノキシジル」という成分が発毛を促す。
・ミノキシジルは毛包に働きかけヘアサイクルを改善する。
・ミノキシジル入り発毛剤はAGA治療ガイドラインのAランクに指定されている。
・リアップは壮年性脱毛症(AGA)の治療に適している。
・リアップは副作用が起こることがあるので用法用量を守って使う。