漢方薬に育毛効果はある?「髪が生える」の真相を徹底解説!
薄毛対策や育毛というと、育毛剤やミノキシジルなどのイメージが強いと思いますが、じつは「漢方薬」も育毛に効果があるといわれています。
今回は、本当に漢方薬で髪が生えるのか?その真相を徹底解説します!
処方してもらえる場所や副作用について、育毛におすすめの漢方薬もあわせて紹介します。
漢方薬とは?
植物の天然の薬草や根、皮などを粉末状に煎じたものを生薬といいます。数種類の生薬を組み合わせたものが「漢方薬」です。
体質改善を目的としている
漢方薬は、身体のもつ働きを高めて本来の正常な状態をつくりだすもの。
治癒原則として「熱ければ冷まし、冷たければ温める。足りないものは補い、多すぎるものはとり除く」があります。
漢方薬は西洋薬のように症状を取り去るのではなく、身体が本来もつバランスを整えること。
体質改善をすることで免疫を高めることを目的としています。
漢方薬に副作用はある?
生薬をもとにつくられる漢方薬は、西洋薬に比べると副作用は少ないですが、まったくないというわけではありません。副作用としてもっとも多いのは、甘草(カンゾウ)の摂りすぎによる、血圧上昇・むくみ・血中のカリウム濃度の低下などです。
そのほか、服用する生薬や組み合わせ、体質により胃腸障害、動悸・関節のしびれ・過敏症などの副作用が出る場合があります。
漢方薬の組み合わせを素人が判断するのは難しく、使い方を誤ると効果が半減する場合も。それだけでなく、副作用があらわれることもあるので要注意です。
副作用がおきたかなと思ったらすぐに飲むのを中止し、医師または薬剤師に相談しましょう。不安のある方は漢方薬を購入する際も、専門家などに相談することをおすすめします。
漢方薬は薄毛対策にも効果的
髪は身体の内側から生えてくるもの。身体が健全でなければ元気な髪は生えてきません。
漢方は、それ自体に育毛効果があるわけではありませんが、体質改善をすることによって脱毛しにくく、育毛しやすい環境へ導く効果が期待できます。
実際、東洋医学では、髪は主に「腎・気・血」と関係があると考えられ、脱毛・薄毛なども施術の対象となっています。
治療の際は、まず患者に何が不足しているのかを診断。育毛の妨げとなる腎臓の機能低下(腎虚)、血が足りない状態(血虚)、気が不足している状態(気虚)の状態を解消することで、症状の回復を目指します。
AGA(男性型脱毛症)にも効く?
AGA(男性型脱毛症)の原因は、男性ホルモンの影響や遺伝、加齢などさまざま。発症のきっかけにはストレス・ダイエット・生活習慣の乱れなども影響するため、それらの改善もキーポイントです。
AGAの専門クリニックなどでも体質改善ができる漢方薬を服用することにより、より発毛・育毛効果を高めると考えられており、治療に漢方薬が用いられることも珍しくありません。そのほか、強い薬剤が使用できない方や、女性の薄毛治療などにも処方されることもあります。
漢方薬を処方してもらえる場所
漢方薬は「病院」や「薄毛治療専門のクリニック」で処方してもらったり、「漢方薬局」で調剤してもらったりすることが出来ます。また、「ドラッグストア」などで購入することも可能です。
病院や漢方薬局では、自覚症状や生活習慣を聞く「問診」や、肌や舌の色などのチェックなどが行われ、その人に合った生薬を処方してもらえます。
ドラックストアは問診や処方箋が要らない分、手軽に購入できますが、自分で商品を判断しなければならないのがデメリット。ドラックストアでより効果的な漢方薬を選びたい、というときは常駐している薬剤師の方に相談してみるといいでしょう。
育毛におすすめの漢方薬
育毛を目的とするには、薄毛や抜け毛に関係する「腎・気・血」のバランスを整えるための生薬を選ぶことが必要です。
育毛には以下の漢方薬がおすすめです。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)
・八味地黄丸(はちみじおうがん)
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
・桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
具体的にどのような効果があるのか、順番にみていきましょう。
腎虚(じんきょ)に関わる漢方薬
漢方において「腎」とは内臓を指し、内臓機能が衰えると髪が抜け落ちるなどの症状がでると考えられている。
腎虚には新陳代謝を高めて内臓の働きをよくする「八味地黄丸」「補中益気湯」がおすすめです。
「八味地黄丸(はちみじおうがん)」
頻尿・腰痛、しびれ、かすみ目など、老化にともなう症状に処方される漢方薬です。身体の冷えを温めて改善する効果が期待できます。
「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」
食欲不振、病後・産後の体力低下などに用いられる漢方薬です。胃腸の消化・吸収機能を整え、病気への抵抗力を高める効果が期待できます。
気虚(ききょ)に関わる漢方薬
漢方でいる「気」とは生命活動のエネルギー。気である精神の乱れは代謝を悪くするだけでなく、ストレスの原因にもなると考えられています。
ストレスの蓄積は不眠の症状をまねくことにもつながり、育毛の妨げになる可能性も。気の乱れである「気虚」を解消するには「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」や「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」がおすすめです。
「柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」
不安・抑うつ・イライラなど精神的に不安定なときに処方される漢方薬です。気の異常を沈めて、リラックスさせる効果が期待できます。
「桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)」
精神の高ぶりや、ストレスからくる不安などの症状に用いられる漢方薬です。気力をつけ、精神を落ち着かせる効果が期待できます。
血虚(けっきょ)に関わる漢方薬
漢方では、髪の毛は「血の余り」と考えられています。血が不足した血虚の状態を解消する「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」や「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」がおすすめです。
服用したことで血液循環をよくし、全身に栄養を行き渡らせ抜け毛や白髪などの解消を目指します。
http://www.kracie.co.jp/ph/k-therapy/karadakagami/types/a/
「当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)」
月経不順・月経痛・更年期障害・産前産後の不調などに使われる漢方薬です。血の不足を補い、血の巡りをよくする効果が期待できます。
「十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)」
貧血、乾燥、食欲不振・倦怠感・冷えなどの症状に処方される漢方薬です。血液循環を高め、身体全体に栄養を行き渡らせる効果が期待できます。
漢方薬を飲むときに注意する点
漢方薬は医薬品です。服用するタイミングや一緒に飲むものも適したものを選ぶ必要があります。
漢方薬を飲むタイミング
一般的に、食前・食間(食後2時間)、空腹時に飲むとされています。ただし、処方された漢方薬に服用タイミングはさまざまなので、用法・容量を確かめてから服用してください。
漢方薬は水か白湯で飲む
漢方薬は水または白湯(お湯)で服用するのが一般的です。生薬は臭いや苦み自体が胃の働きを活発にする目的で用いられるものもあるため、オブラートやジュースなどではなく、水か白湯でのみましょう。
どうしても飲みにくいという方は、医師や薬剤師に相談してみてください。
育毛効果を高めるコツ
漢方薬の力を十分に発揮させるには、食生活や生活習慣の改善も必要です。育毛効果を高めるシャンプー方法やマッサージ、生活習慣の改善のポイントを紹介します。
正しいシャンプー方法をマスターしよう
シャンプーは頭皮に爪を立てず、優しく揉みほぐすように洗うのが鉄則。洗浄剤が頭皮に残っていると乾燥の原因になってしまうため、すすぎを十分に行うことも大切です。念のためすすぎ終わったと思ってから、もう1~2分ほど流しましょう。
シャンプーの正しい手順は以下になります。
1.シャンプーを使う前にお湯で全体を流す。地肌の汚れやホコリが浮きやすくなり、シャンプー剤も泡立ちやすくなります。
2.シャンプーを手の平で泡立て、地肌にのせる。最初から髪につけてしまうと、摩擦で髪を傷める原因になるので注意!
3.指の腹で、頭皮全体を下から上にマッサージするように洗う
4.シャンプーが頭皮や髪に残らないよう十分にすすぐ
頭皮マッサージを習慣化
漢方と似た考えにもとづいたものとして、指圧やマッサージがあります。ツボを刺激することで血液循環がよくなり、毛乳頭の働きを助けて育毛しやすい環境をつくります。
頭皮や首のツボなら自分で簡単に押すことができるので、普段の手入れに取り入れやすいのもメリット。ぜひお風呂上りや就寝前などにマッサージを取り入れてみてください。
頭頂部にある「百会(ひゃくえ)」や首筋の付け根にある「天柱(てんちゅう)」などをイタ気持ちいいくらいに押すのがコツ。頭皮に摩擦を与えないよう、育毛剤などで保湿してから行いましょう。
生活習慣の改善を意識する
髪も身体の一部なので、元から正す必要があるというのが漢方の考え方です。
抜け毛や薄毛などといったトラブルは、体調不良や心身の落ち込みなどの症状がでる「未病」の段階でケアすることで、より早く健全な状態を取り戻すことができます。
「適度に運動する」「食事の質を高める」「睡眠時間を確保する」「ストレスをためないようにする」…など、日ごろから生活習慣の改善につとめて、内側から育毛しやすい環境をつくりましょう。
特に食事は髪の原料となるタンパク質や、タンパク質の合成を助けるビタミン類などを過不足なく摂取することが重要。バランスの取れた食事を意識しましょう。
まとめ
漢方薬の育毛効果についてまとめると
1.漢方薬はからだの内側を整えるもの
2.体質改善により育毛効果も期待できる
3.漢方薬は「腎・気・血」に関わるものを選ぶ
4.飲み方も大切
5.生活習慣の改善が効果アップにつながる
漢方薬は生薬を組み合わせることにより、体質に合ったものを処方してもらえるのがメリット。ただし、副作用の可能性も少なからずあるため、体調に不安がある方は専門医に相談することをおすすめします。
漢方はそれ自体が育毛に効果があるというわけではありませんが、体質改善することにより育毛効果が見込めるアイテムです。上手に取り入れ、薄毛解消・育毛効果アップを目指しましょう!