病気が原因で薄毛になるって本当?抜け毛のメカニズムと対策方法

薄毛の原因にはさまざまなものがあります。「長期的に抜けている」「急激に抜け毛が増加した」という場合には、もしかするとその抜け毛には、病気が潜んでいるかもしれません。

症状が悪化する前に早めの対策が必要です。この記事では、抜け毛のメカニズムとともに、脱毛を伴う可能性のある病気を解説。具体的な薄毛の対策方法を紹介します!

薄毛の原因はさまざま

薄毛と一口に言っても原因は多種多様。男性ホルモンや生活習慣、ストレスなど色々な要因が考えられ症状にも個人差があります。女性でも、体内に微量に存在する男性ホルモンの働きによって脱毛することも。治療には「自分の薄毛が何に影響を強く受けているのか」を見極めることが大切です。

脱毛のメカニズム

薄毛の原因を突き止めるには、まず脱毛のメカニズムを知る必要があります。髪は毛を作り出す毛母細胞の分裂により毛髪が成長する「成長期」 、成長が鈍くなる「退行期」、成長が終わって毛が抜け落ちる「休止期」を経て発毛・脱毛を繰り返します。

この一定の周期を「ヘアサイクル」と呼び、 正常な状態であれば1日に平均して50~100本の毛髪が自然に抜け落ちます。

 ヘアサイクルの乱れを起こす原因

髪が抜け落ちても健康な状態であれば、すぐに新しい髪がつくられるので薄毛になることはありません。 しかし、何らかの理由でヘアサイクルが乱れてしまっている場合には、新しい髪がつくられず今ある毛も細く弱くなってしまうために、少しずつ薄毛に近づいていきます

ヘアサイクルの乱れを起こす要因は 偏った食事での栄養不足、運動不足による血行不良、間違ったお手入れによる頭皮環境の悪化などが考えられます。また、一見関係なさそうな睡眠習慣も髪に与える影響は少なくありません。

男性に多いAGA

AGA(男性型脱毛症)は、男性に多い脱毛症の一種。現在では薄毛の症状に悩む男性のほとんどが AGA であると言われています。

AGA の要因として大きいのが男性ホルモンです。テストステロンという男性ホルモンの一種が、5αリダクターゼという酵素の働きにより、ジヒドロテストステロンというホルモンに変換されることで抜け毛が発症します。

AGAの発症は8割が遺伝によるものとされていますが、睡眠不足や喫煙などの生活習慣、頭皮環境の悪化、ストレスなども無関係ではありません。悪習慣により乱れたヘアサイクルがAGAの進行に大きく影響を及ぼします。

1日100本以上の抜け毛は病気の可能性も

1日に抜ける毛の量は個人差がありますが、平均して1日50本~100本程度です。季節の変わり目などでも抜け毛が増えることはありますが、時期的なものなのであまり心配する必要はないでしょう。また、毛は1本1本のヘアサイクルが違うので、1度にまとめて抜けることはありません。

「100本以上の抜け毛が長い間続いている」「毛がごっそりまとめて抜ける」などの症状には要注意!もしかすると、薄毛に病気が関係している可能性も考えられます。

薄毛の症状をチェックしてみよう

「最近、抜け毛が増えた気がする…」そんなときは、抜け毛の状態をチェックしてみましょう。でも、床に散らばった抜け毛をいちいち数えるのは大変…。そこで、おすすめなのが枕やお風呂場の排水溝を調べる方法です。

朝起きたときの枕に抜け落ちた毛や、排水溝(ネットを張っておいて回収する)の抜け毛の量を、1週間程度数えてみましょう 。この短期間の間に抜け毛の量が増えていると感じたら、病気による抜け毛の増加の可能性も視野に入れたほうがいいかもしれません。

抜け毛を伴う可能性がある病気

抜け毛の量が急激に増えた…という場合は、何か病気が潜んでいる可能性も考えられます。考えられる病気として代表的なものに「橋本病」「膠原病(こうげん病)」「バセドウ病」「鉄欠乏貧血」「円形脱毛症」などがあげられます。それぞれの原因・症状をみていきましょう。

橋本病(甲状腺機能低下症)

甲状腺とはのど仏のすぐ下にある小さな分泌器官のことで、甲状腺ホルモンという物質を分泌しています。甲状腺ホルモンはからだの発育や新陳代謝を盛んにする働きをもち、からだが活動するためになくてはならないホルモンです。甲状腺ホルモンは多すぎても少なすぎても体調が悪くなってしまいます。

甲状腺の病気はいくつかありますが、代表的なものが橋本病(甲状腺機能低下症)です。橋本病は甲状腺ホルモンの分泌量が不足することにより、全身の新陳代謝が低下する病気です。

橋本病の症状として代表的なのが以下の症状です。

・むくみ

・倦怠感

・寒気

・皮膚の乾燥

・過眠・抗うつ

・体重の増加

・月経異常

・便秘

・抜け毛

皮膚の新陳代謝が悪くなり頭皮環境が悪化することで、髪も抜けやすくなります。毛をつくり出す毛母細胞の働きも悪くなるため、あらたな髪の生成もうまくいかずに頭皮全体が薄毛に近づきます。

膠原病(こうげん病)

膠原病は、自己免疫疾患の一種。自己免疫疾患とは自分のからだを異物と判断し、自分を攻撃してしまう病気です。免疫の異常により全身のあらゆる臓器に炎症が起こるため、さまざまな症状がでます。

膠原病の症状の一例としてあげられるのが以下です。

・脱毛

・発疹

・微熱

・しびれ

・関節痛

・リンパ腺の腫れ

・目や口の乾燥

・爪の変形

症状が多岐に渡るため、内科・整形外科・皮膚科・眼科・歯科などが連携とりつつ治療が行われることも多いです。

バセドウ病(状腺亢進症)

バセドウ病は甲状腺異常による自己免疫疾患のひとつです。甲状腺機能が過度に高まり、ホルモン分泌が活発になりすぎることにより発症します。

バセドウ病の症状の一例としてあげられるのが以下の症状です。

・多汗

・食欲亢進

・体重減少

・ニキビ

毛髪の新陳代謝も活発になるため、成長期の毛が途中で抜け落ちて薄毛が進行します。バセドウ病は橋本病などの他の甲状腺異常と併発することも珍しくありません。

鉄欠乏貧血

鉄欠乏貧血は、血中の鉄が足りなくなることで発症します。血中の酸素は赤血球の中に存在する「ヘモグロビン」という物質により各組織に運ばれるのですが、そのヘモグロビンをつくりだすのが鉄です。

鉄の不足によりヘモグロビンの合成がうまくいかなくなると、酸素が十分に運べなくなるために以下のような症状が症状がでます。

・脱力感

・蒼白

・息切れ

髪をつくる毛母細胞にも酸素が行き渡らなくなるため、細胞がうまく働かずに抜け毛の増加へとつながります。 鉄欠乏貧血は貧血の80~90%を占める貧血で特に女性に多く、10人に1人が鉄欠乏貧血の症状があるといわれています。

円形脱毛症

円形脱毛症は頭髪の一部がコインのように丸く抜ける脱毛症です。脱毛症の原因としては「感染症や肉体的・精神的ストレス・アトピー・栄養不足」などがあげられますが、最近では毛髪組織に対する自己免疫疾患だとする考えが有力です。

 女性の場合は出産による女性ホルモンの減少も原因のひとつだといわれています。症状が悪化すると脱毛個所が増えたり、薄毛が頭皮全体へ広がったりすることもあるので、早めの治療が必要です。

円形脱毛症は「甲状腺異常や関節リウマチ、尋常性白斑(じんじょうせいはくはん)」などの自己免疫疾患と併発することもあり、甲状腺疾患の場合は全体の8%が円形脱毛症を併発するといわれています。

内外からのケアで薄毛を予防・改善しよう

薄毛の原因はAGAや病気だけではありません。偏った食事による栄養障害や睡眠不足、頭皮の炎症などでも毛は薄くなります。多岐にわたる薄毛の要因を解消するには、内外からの正しいケアが必要です。

自分でできる薄毛対策

薄毛には日ごろのケアが肝心!日頃から意識したいことや自分でできる対策方法を紹介します。

生活リズムを整える

睡眠中は皮膚のターンオーバーを促す成長ホルモンの分泌が多くなる時間。睡眠不足が続くと皮膚の生まれ変わりがうまくいかなくなり、頭皮環境の悪化につながります。良質な睡眠をとるためには1日に最低でも30分は日の光を浴びること。また、適度な運動で全身の血行を良くすることも大切です。

運動と言ってもウォーキング程度の軽いもので OKです。どうしても時間が取れないときは「エスカレーターの代わりに階段を使う」「通勤の際に1駅分歩いてみる」など、とにかくからだを動かすことを意識しましょう 。

寝る前のカフェインやアルコールは睡眠の質を悪くするので禁物!寝酒は控えめに。カフェインは夕方以降に摂取しないようにしましょう。また、寝る前はスマホやパソコンを見るとブルーライトの刺激で脳を覚醒させてしまいます。就寝前はなるべく控えるようにしましょう。

食事の栄養バランスを改善する

からだの毛は体外から摂取する食品の栄養をもとに作られていますが、命に関わらない髪や爪への栄養分配は最後になります。そのため、体外からの栄養摂取量が少ないと髪の毛まで栄養が回ってきません。

髪を作っている毛母細胞はからだの中でもとくに分裂増殖が盛んな細胞なので、たくさんの栄養素や酸素を必要とします。育毛のための栄養が不足しないように、タンパク質やミネラルなどを中心にバランスの良い栄養摂取を心がけましょう。

シャンプーを取り替える

頭皮や髪の状態には個人差があるので、自分に合ったシャンプーを使うことも重要です。男性は女性に比べ脂分が多いので、洗浄力の強いさっぱりタイプのシャンプーが適しています。特に汗をかきやすい夏などはさっぱりタイプがおすすめです。

乾燥が気になる人や敏感肌の人は、さっぱり系の洗浄力の強いシャンプーだと頭皮への刺激になってしまう場合があります。そのため、アミノ酸シャンプーなどの低刺激でやさしく洗えるものを使用しましょう。

育毛や薄毛予防には、頭皮の栄養補給や抗菌などができる育毛シャンプーを使うのもおすすめです。

正しいシャンプー方法で洗髪する

せっかく肌質・髪質・季節に合ったシャンプーを使っても、頭皮がきちんと洗えていないと意味がありません。皮脂や埃などの汚れが残っていると、細菌が繁殖しやすくなり炎症などを起こしてしまいます。頭皮環境の悪化を防ぐためにも、正しいシャンプー方法をマスターしましょう。

<シャンプーの手順>

  1. 地肌をまんべんなく濡らし予洗いします
  2. おおまかな汚れが落ちてシャンプーが泡立てやすくなります
  3. 手のひらでシャンプーを泡立てます
  4. シャンプーを地肌に揉みこむようにし、頭皮→髪の順で洗髪する
  5. 地肌→髪の順でよくすすぐ
  6. 襟足部分はすすぎ残しがちなので注意すること

洗髪のタイミングは朝夜どちらでもかまいませんが、おすすめは夜。1日過ごした頭皮は、皮脂やホコリで汚れているため、そのまま寝ると雑菌が繁殖しやすくなるからです。とくにワックスなどの整髪料をつけた日は寝る前に洗髪したほうがいいでしょう。

育毛剤を使用する

薄毛対策には栄養バランスのいい食事も大切ですが、摂取した栄養を運ぶ血流の流れを正すことも重要なポイント。末端に位置する頭頂部はとくに血流が悪く栄養が届きにくいため、頭皮マッサージによる血行促進が有効です。

マッサージは洗髪後の清潔な頭皮に行います。指の腹で頭皮全体をやさしく揉みほぐしてあげましょう。薄毛が気になる頭頂部などは手のひらで挟み込むようにマッサージするのもおすすめです。普段デスクワークが多い人は、肩や首などもマッサージしてあげると、頭部への血液の流れが良くなります。肩こり改善にもつながるので一石二鳥ですよ。

マッサージの際は、摩擦を軽減するために頭皮を保湿することがポイント。保湿成分の入った育毛剤などを使用すれば、頭皮が傷つきにくくなり血液循環も良くなります。

症状が治まらない場合は病院へ

薄毛解消には、症状を見極めて適切な治療をすることが大切です。「生活習慣を正す」「育毛剤を使用する」など内外からのケアを実行しても、抜け毛が治まらない場合は一度病院で診てもらいましょう。

抜け毛の増加は大きなストレスになりますから、そのストレスがまた抜け毛を誘発するという悪循環にもなりかねません。専門医に相談するだけでも不安感の軽減につながりますから、疑わしい場合は早めに受診してください。

病気が原因で薄毛になるって本当?

病気と薄毛の関係をまとめると…

・薄毛の原因はひとつではない

・100本以上の抜け毛は危険信号!病気が隠れているかも

・脱毛を伴う病気には橋本病・膠原病・バセドウ病・鉄欠乏貧血・円形脱毛症などがある

・薄毛対策には内外からのケアが重要

・ケアを行っても症状が治まらない場合は病院へ

薄毛には年齢・性別・体質など個人差があり、症状も多種多様です。一口に薄毛といってもさまざまな可能性が考えられます。生活習慣を正し、きちんとケアをしているのに抜け毛が異常に多い場合は病気の可能性を疑った方がいいかもしれません。

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