最新薄毛治療事情!この世から薄毛がいなくなる日!
日々進歩が進む科学や医学。ついこの間まで常識とされていたことが、今では非常識なんてことも当たり前にあります。そんな科学・医学の進歩は、薄毛治療にも影響を与えています。
ロボットによる治療や遠隔診療、細胞レベルで創造するなど、SF小説の世界で使われるような単語がポンポン飛び出す最新の薄毛治療界隈。もはや、風呂上がりに頭皮をトントン叩いていた時代ではありません。
このまま科学技術が発達していけば、薄毛がいなくなる時代もくるのでしょうか。この記事では、全ての薄毛が注目する最新の薄毛治療の世界についてご紹介します!
最新の薄毛治療は人じゃなくてロボットが行う!?
ロボットやレーザー光線は男の子のロマン!これらはアニメやゲーム、SF小説でよく見かける単語ですが、最近では現実世界でもしばしば耳にすることがあるでしょう。
そんな男子の憧れであるレーザーやロボットが、大人たちを薄毛から救うヒーローになるかもしれません!
薄毛治療と言えば、育毛剤や内服錠など、薬剤による治療が一般的ですが、近年ロボットやレーザーによる物理的な治療に注目が集まっているのです!では、ロボットやレーザーによる治療とはどのようなものなのでしょうか。
頭皮にレーザーを当てて薄毛が治る?低出力レーザーの威力とは
レーザー治療と言えば、育毛よりも脱毛が有名です。美容クリニックにあるような本格的なものから、家電として購入できる家庭用のものまで、毛を減らすためのレーザーはさまざま。レーザーはまさに、脱毛のスペシャリストと呼んでも過言ではないでしょう。そんなレーザーを頭皮に当てて大丈夫なのでしょうか。
結論から言えば、もちろん大丈夫です。育毛に利用されるレーザーは低出力に抑えられており、細胞を刺激する程度の光しか放出しません。これなら安心して使用することができます!
そもそも低出力レーザーの医療への応用は、薄毛治療が始まりではありません。最初は人体組織の再生や活性化の促進が主な目的だったのです。
レーザーを当てられると、人体はそれを治癒するために細胞分裂を活性化させます。その結果、治癒力が高まり、薬剤の力に頼らなくても、自らの力で傷を癒やしたり、炎症を抑えることができるようになるのです!
低出力レーザーによる自己治癒力の向上は、血管の拡張、血流の改善、そして細胞の活性化を促します。これらの効果は全て、育毛剤でもよくみかけるもの。つまり、低出力レーザーを頭皮に当てると、育毛剤を使用するのと同等の効果が期待できるというわけです。
現在、低出力レーザーはアメリカ食品医薬品局FDAをはじめ、世界8ヶ国で効果が認められています。日本でも日本皮膚科学会のガイドラインでBランク(『推奨する』ランク)を獲得するなど、認知度は高まっています。
クリニックで施術してもらう他にも、家庭用の低出力レーザー装置が販売されているため、自宅でレーザーを浴びることも可能!気になる方は、チャレンジしてみてはいかがでしょうか。
自毛植毛ロボ出動!機械が行う自毛植毛って大丈夫?
自毛植毛とは、自分の後頭部から毛穴ごと髪を移植するという手法。後頭部の髪は悪玉男性ホルモンであるジヒドロテストステロン(以下DHT)の影響を受けづらいため、移植した後はメンテナンスがいらないという画期的な薄毛対策です。
以前は全て人間の手によって行われていた自毛植毛ですが、現代の最新技術では、ロボットによる植毛が可能になっています。
「手術なんて危険な作業をロボットに任せて大丈夫?」との不安もあることでしょう。しかし、ロボットによる植毛には人間にはない、大きなメリットがあるのです!
メリットのひとつが「作業が精密になる」ということ。ロボットによる自毛植毛は、複数台のCCDカメラによって1秒間に50回以上も撮影されて、密度や本数を正確に計算しながらドナー(移植元)を採取することができます。膨大な統計データを利用して、毛根の角度を計算するため、採取ミスによってドナーを失うこともほとんどありません。
また、「植毛のクオリティが安定する」のもメリットのひとつ。人の手で植毛を行う場合、施術者の練度や経験で結果のクオリティは大きく変わってしまいます。熟練の医師から施術されるのならいいですが、ドナー採取初挑戦の医師に施術されるなんてことになったら、心配でしかたありません。植毛ロボなら、毎回同じクオリティで施術を行うことができるため、植毛の成功不成功に運の要素が絡むケースは大幅に減るでしょう。
「疲れ知らずで素早い施術になる」のもメリットです。人間による施術は、時間がかかればかかるほど施術者の体力が失われ、その分ミスのリスクが高まってしまいます。植毛ロボは疲れ知らずで、素早く確実に植毛してもらうことができるのです!
最新の薄毛治療はインターネット越しで?スマホ診療とは!
地方に住んでいる方の中には、身近にAGAクリニックがないという方もいるでしょう。薄毛の対策はドラッグストアで市販されている育毛剤に頼らざるを得ず、もしも効果が得られなければ、そこで手詰まりです。
現在ではインターネットの発達により、ネット通販で育毛剤が買えるようになりましたが、最新の薄毛治療はそれだけにとどまりません。なんと、医師の診療をスマホで受けることができるのです!
通信技術が発達し、動画による通話が可能になった現代社会。なんとカメラ越しに頭皮を写すことで診察できるレベルで通信できるというから驚きです!
今後、カメラ技術の発展によって、さらに精密な診療が可能になることでしょう。地方に住んでいるからといって、薄毛解消を諦める時代は終わったと言っても過言ではないのです!
とはいえ、植毛手術のように、実物の頭皮がなければできないような治療も存在します。スマホ診療に任せるのではなく、通院と併用すればさらに効率よく薄毛対策ができるのではないでしょうか。
最新の薄毛治療は再生医療!最強の治療法で薄毛ゼロの時代に!
医学の世界で最もホットな話題のひとつは再生医療です。再生医療とは失ってしまった細胞や組織を、体外で培養した細胞や組織を用いて修復、再生する医療です。
髪は身体の細胞からの産物である以上、再生医療は適用されるはず!失った髪を修復、再生させることができれば、世界から薄毛で悩む人がいなくなる日も遠くはないでしょう!
ここまで、物理、情報通信技術を中心とした最新薄毛治療を紹介してきましたが、最後に再生医療をはじめとした、医学としての薄毛治療の最前線をご紹介します!
頭皮に直接成長因子を送り込め!メソセラピー法とは!
メソセラピーとは、少量の薬剤を患部に直接注射してしまうという手法。外用薬の「角質層までしか浸透しない」という欠点や、内服薬の「身体全体に影響してしまう」というデメリットを解消できる画期的手法です。
このメソセラピー法を利用して育毛に役立つ成分を患部に注射するのが、最新の薄毛治療です。
特にHARG療法と呼ばれる手法では、薬剤の代わりに成長因子(グロースファクター)を注入するのが特徴です。
身体の成長には成長因子という物質が関わっています。環境の変化に対して分泌される成長因子によって、身体は適切に対応していくというわけです。
そんな成長因子を直接頭皮に打ち込むワケですから、効かないわけがありません。プロペシアのような医薬品と違い、患部で直接反応するため、効果がでるのが早いのも特徴です。
育毛に関わる成長因子は大きく5つ。
・ケラチンをはじめとした毛髪の形成に必要な成分の生成をサポートするKGF
・毛髪を強化する因子の発現を促進するHGF
・細胞の成長を送信するIGF
・血管に作用し、血流を促進するbFGFとVEGF
これらをはじめとした成長因子を頭皮に直接注射することで、発毛や育毛を促進するのがHARG療法です。
欠点としては、針を使うため痛みがあるということ。しかし、今では痛みなく治療できる技術も生まれており、さらに優秀な育毛法へと進化しています。
吸血治療!?ヴァンパイアPRPはアメリカで人気の手法!
アメリカで人気の薄毛治療法は、ヴァンパイアPRPと呼ばれる手法です。PRPとはざっくり言うと血小板による治療という意味です。
これはメジャーリーグで活躍中の田中将大投手が、怪我の治療に取り入れたことで有名です。そんな治療法を薄毛に応用するというのですから、期待しないわけにはいきません!
ヴァンパイアPRPとは、カンタンに言うと自分の血液を採取し、抽出した血小板を患部に注入するというものです。血小板とは細胞の修復に関連するもの。そのため、内部には豊富な成長因子が含まれています。
この成長因子により頭皮の細胞を活性化させ、発毛させるのがヴァンパイアPRPです。
ヴァンパイアPRPのメリットは、自分の血液を利用するという点。自分の身体から採取したものなので、アレルギーや感染症、拒絶反応の心配がないのです!
後頭部から毛づくり細胞を培養!抜けない髪を植えまくれ!
アメリカではヴァンパイアPRPが人気ですが、日本も再生医療では負けてはいません。理化学研究所は2018年6月に再生医療ベンチャーのオーガンテクノロジーズとの共同研究で、髪の種を大量に培養する技術の開発に成功したと発表したのです!
実は理化学研究所は2012年、マウスから採取した細胞を培養し、毛の種になる「毛包」という器官を作り出す技術をすでに発表していました。それから6年、ついに人の頭皮から毛包を作り出す技術まで発展したのです!
これは、頭皮の細胞から種類の違う3つの幹細胞を採取し、これらを組み合わせることでクオリティの高い毛包を効率よく作る技術です。
幹細胞とはあらゆる細胞の基になる細胞です。そんな幹細胞を毛包へと分化させ、大量に培養するのがこの技術のミソです。
2020年を目処に商品化したいとのことなので、未来の技術に期待したいところです!
人類の最終兵器を頭皮に!iPS細胞は髪の救世主になるのか!
再生医療の希望の星といえばiPS細胞。当然、薄毛治療への利用にも期待が集まる技術です。
iPS細胞とは「人工多能性幹細胞」の略称。通常の幹細胞がある一定の器官にしか分化できないのに対し、多能性幹細胞は身体のあらゆる器官へと分化できる万能の幹細胞です。それを人工的に作り出そうというのが、この技術です。
とはいえ、先述した毛包を作り出す技術が生まれてしまった以上、iPS細胞にこだわる必要は薄れてきていると言えるでしょう。というのも、薄毛の方は、髪さえ大量に培養できればそれで満足できるわけで、それが人工的に生み出された細胞である必要はないからです。
iPS細胞が実用化されて活躍するとすれば、薄毛の方というよりも傷などで髪が生えなくなってしまった方の治療でしょう。幹細胞がなければ、毛包を増殖させることもできないため、新たに毛包を作り出す必要があるからです。
2度と髪が生えないと思っていた方に希望を与えるiPS細胞。できるだけ早く実用化して欲しいところです。
まとめ
現代の科学の進歩はめざましく、それに伴って薄毛治療ももの凄いスピードで進化しています。
以下に、最新の薄毛治療についてまとめました。
・低出力レーザーを当てると治癒力が高まり、それを利用して発毛させることができる。
・自毛植毛ロボは作業が精密で、個人差によるクオリティの差がないのが魅力。
・遠方に住んでいる方でも、スマホを使用して遠隔診察を受けることができる。
・患部に直接成分を注射するのがメソセラピー。成長因子を注射するHARG療法という手法もある。
・自分の血液を採取して成長因子を豊富に含む血小板だけを抽出し、患部へ注射するのがヴァンパイアPRP。
・後頭部から細胞を採取して幹細胞を取り出し、髪の種となる毛包を大量に培養する手法が開発された。
・iPS細胞は身体のあらゆる器官へ分化できる細胞。毛包へ分化させることで髪が生えなくなった人へ移植できる。
このように、薄毛の治療法は日を追うごとに進化しています。しかし、期待の再生医療は現段階では実用化しておらず、世界から薄毛がいなくなるまでには時間がかかりそうです。
毛髪再生医療の実用化は2020年前後を目途に開発が進められています。その時が来ることを待ちわびながら、今できる薄毛対策に力を入れるのが、現代の薄毛に悩む人の生き方なのではないでしょうか。